2019年10月01日

幼児の言葉・会話の遅れ

「うちの子3歳になっても単語しかしゃべれないんですけど・・・」

お子さんが2歳をすぎても単語しかしゃべれないと、他の子より発育が遅れているのでは?と不安になられるお母さんもいらっしゃるでしょう。

現在、言語のスクリーニングでは2歳〜2歳半の間に 二語文(二つ以上の単語を組み合わせて話す)が話せないと、平均よりも言語の遅れがある可能性を疑われます。

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スポーツや楽器と同じように言語は習得能力です。

言葉を発する構語能力は生まれつき備わった機能です。ですが言語・会話は後天的な環境が作り出す習得能力です。


特に母国語とは乳幼児期の環境から練習し身に着ける能力です。

乳幼児が習わなくても母国語を修得していくのは、英検を受けるために英語を学ぶのとは異なります。ただの音だった大人の言葉がやがて意味のある表現方法として経験から修得されていくのです。生きていくのに必要だからです。

練習した子は早く身に着くし、練習の機会が少ない子(話しかけや読み聞かせが少なかった子、意思表示の必要性が少なかった子)は習得に時間がかかるのが当たり前です。

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ですが「ワンワン、可愛い」と言える子もいれば、「ワンワン」という単語の中に可愛いの意味が込められていたりする場合もあるのです。

「ママ、好き」と言える子もいれば、「ママ」の一語の中に大好きという感情が込められている場合だってあるのです。

その子の「マンマ」には「空腹である」という訴えも、「美味しい食事」の意味も、優しいママがスプーンで口にご飯を運んでくれる楽しい食卓のシーンも含まれているのかも知れません。

氷山の見えない部分はどれだけ大きいのか、子供の感性や能力は簡単に計ることはできないと思います。

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乳幼児のスクリーニングとは

障がい(一生付き合っていかねばならない機能の問題)を早期に発見し、できるだけベストな対策や方向性を導き出す指標となるものです。

ですが、スクリーニングでいう「平均的な成長」というモノが、どれくらいの個人差を包括して言えるのかは、おそらく誰にも答えは出せないと思います。

「ある日突然スラスラと」もあり得ます

側音構語(息が漏れたり、アゴがずれたり、舌が硬直したりしてきちんと音声として発音できない)など発声発音そのものに、または聴覚に、明らかな障がいがみられない限り、他の子と比べて成長のスピードに焦ることにそれほど意味はないように思います。

むしろ、お母さんの不安やストレスがお子さんに伝播してしまうことの方が、発育には悪影響を及ぼしてしまうのではないかと思えます。

子供の言葉が一体何処から生じてくるのか、生まれた子が何故ひとりでに聞いて話せるようになるのか、何故早く話せる子供と話せるまでに時間がかかる子がいるのか?

私たち人間には、何一つ本当にはわかってはいません。言語に関して言えば、「ある日突然スラスラと」の可能性だってあり得ます。子供の成長には、その子なりのスピードや、身に付く周期というものがあるように思えるのです。

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ブログ文章 橋本昌周

江戸川区・京成小岩 / 千葉県 山武・東金市(出張専門)
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posted by shosyuh at 11:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 言葉の問題

2019年09月27日

小児のストレス症状・チック・吃音・歯ぎしり・心身症

赤ちゃんだったお子さんも、成長に伴いアクティビティに変化が現れてきます。
 
習い事が始まったり、お受験に備えての塾や教室に通いだしたり。早期教育として、2、3歳位の子が、掛け算や漢字・アルファベットを練習したりするのもよく見かけます。

楽器や絵画などの情操教育も、なるべく幼いうちからスタートさせる方が「能力を伸ばしやすい」とされています。
 
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親のやらせ方(その子にあった導き方)が上手だと、

習い事をゲームのように楽しんだり、子供なりの向上心や負けん気で意気揚々とはりきるお子さんに成長していくのが見られます。
 
褒めたり、おだてたり、いい按配で悔しがらせたり・・・。「このお母さん、一体何者だろう?」と思う位、人心の術に長けたお母さんにもお会いします。

見ていて応援したくなるような、一心無欲なエネルギー。「楽しんでる時の子供の集中力に勝るものはないのだな」と、改めて実感します。
 

一方で「無理矢理やらされてる感」、「うんざりして疲れちゃってる感」たっぷりのお子さんもみられます。
 
大人の期待やモチベーションが、肝心の子供の心を置き去りにしてしまっているように見えるケースも少なくないのです。

優秀な友だちと比べられたり、ハードルがその子にとっては高いものだったり、自分には向いていないカテゴリーだったり・・・。それでも子供は、親の選択を信じて精いっぱい頑張ろうとします。
 
 
習い事で習得する一つ二つの事よりも、この時期に植え付けられた、子供の劣等感や無力感は一体どこに向かうのだろうか?と、ふと考えてしまう時があります。
 
興味・好奇心といった「心」を育む前に、「頭脳」「体力」の為の早期教育をスタートさせてしまうと、その子の将来にわたって、自主性の成長を妨げてしまう可能性があることをご存知でしょうか?
 
物事の価値観や正誤の判断が、「親が笑顔か?笑顔じゃないか?」になってしまうのです。

幼少期に刷り込まれたこの価値観は、成長しても尾を引き、「周囲の人の顔色をうかがう」「自分のアイデンティティを持てない」などの自主性の脆弱な大人になりやすいとする研究もあります。
 
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日々、様々な小児・学童と対面しますが、小さい子ほどお父さん・お母さんの喜ぶ顔が見たくて習い事や塾などを頑張っているように感じます。
 
将来出世しようとお受験を考えている子などおりません。大人になった時に役立つよう水泳やピアノを頑張っている子もおりません。

どの子も、親の笑顔が見たくて(褒めてほしくて)頑張っているように見えるのです。
  


たまたま親の期待に応えるような結果が出せなかった時、焦りや悲しみといった感情が生じてしまう子もいるでしょう。
 
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頑張って良い結果が出せたとしても、さらに「もっと、もっと」とハードルを上げてしまうご家庭もあり、それについていけなくなった時に、心因的なストレス症状を発症してしまう子もみられます。

また、腫れ物に触るような親の過干渉も、吃音(どもり)・チック・ヒステリー・尿漏れ・夜尿症・歯ぎしり(噛みしめ)・視力の低下などの小児のストレス疾患や心身症の原因になりやすいことがわかってきています。
 
親の顔色など覗わずに、「(自分の為に)これをやりたい」というのは、早くても小学2年から3年生位ではないだろうかと思います。子供の自主性もまた、その時期までにゆっくりと成長するように思うのです。
 
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小児はりをした子供たちも、いつかは大人になります。

その頃にはもちろん、当院の小児はりの事など覚えていないでしょう。
 
それでもいつか、その子が親になった時、「子供の心と体は一体なのだ」という東洋的な考え方を思い出してくれたら、とてもうれしく思います。
 
子供の心の中には、その子なりの大きさのコップがあって、溜まった疲労やストレスがそのコップから溢れてしまう時、様々な心身の症状となって現れやすいということ。

そして成長とは「その子のコップ」が少しずつ大きくなっていく事なのだと。

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2019年09月22日

認知症介護〜不眠症のブルース〜

「在宅介護で精神的に追い詰められて眠れない」というのが初見時の主訴でした。

91歳で亡くなられた母親の葬儀を終えられ、「ふぅ〜」と来院された69歳女性。もう10年以上のお付き合いになります。

初回の施術からしばらくして、近くの老健施設で母親を預かってもらえるようにはなりました。彼女の疲労困憊は一件落着?とんでもない。
 
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この国には、まるで遊牧民のように、3か月ごとに別の老健施設にいったん移動し続けなければならないシステムがあります。

彼女もその度に悩まれ疲れておりました。早く次の移動先を決め、うまく移動できないと高額の老人ホームへ預けるしか術がなかったのです。
 

介護離職。家族の介護のために「長年の仕事」を辞めざる得ない人もいます。
 
彼女もそうでした。年金と今までの貯金しか頼れるものが無い彼女。
 
早くに離婚をされていて、40歳になる一人娘は病気があって働けない状態です。

とても物静かで落ち着いた女性ですが、いざ介護の話題になると豹変したかのように母親への罵詈雑言を吐き出されていました。
 
「私の方が先にまいっちゃうよ~」
「泥棒扱いされて冗談じゃない!」
「早く死んでくれればいいのにさ」 

91歳の母親の死は、20年に及んだ認知症介護の終わりを意味しています。もう踵に灸などすえなくてもグッスリ眠れるようになるかも知れません。

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本来「福祉国家」とは家族に家庭や人生を壊してしまうような負担や努力を求めないものだと思います。

 「家族ができるだけ限界までやって下さい。限界を超えて破綻してしまうようでしたら国が支援しますから。」という福祉制度があるでしょうか? 
 
もし彼女の「20年に及ぶ介護の日々」に、人生や仕事を犠牲にせずとも良い福祉制度があったら・・・。彼女の人生の選択肢はもっと増え、彩(いろどり)豊かなパレットのようになっていたのかも知れません。
 
我慢&我慢。「しょうがない」「あきらめるしかない」の20年は長すぎます。69歳にしてようやく戻ってきた自分のための自由。

「自由とは怖れのないこと」、そんな歌詞があったことをふと思い出した次第です。

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